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発熱
発熱は、からだのSOS信号ではありますが、体を守る反応のひとつでもあります。
”自分の力で治そう”という反応でもあるので、38度くらいで元気があり、食事がとれるようなら、必ずしも熱さましはひつようありません。
熱は、夕方から深夜にかけて上がってくることが多いものです。様子をみようと思っていても、深夜に高い熱になると不安になるもの。お子さんもなかなか眠れません。小さなお子さんがいる家庭では、冷蔵庫に熱さましを常備しておくことをお勧めします。
熱さまし
小さなお子さんが38.5度以上の発熱がある時、熱さましを使うことを考えます。ただし、熱さましが病気を治しているわけではありません。熱を下げることで、眠れたり、水分や食事が摂れるようになり、その結果、元気回復のお手伝いをします。決して熱を下げて治しているのではないことにご注意ください。熱さましを使っても2~3時間でまた熱が上がってしまうこともしばしばです。40度くらいの発熱では、座薬をつかってもなかなか36度台までは下がりません。それでも眠れるようになったり、水分が摂れるようになったら効果ありと思ってください。
”熱さましは6~8時間空けてつかってください”といわれますが、その前にまた高い熱が出ることがよくあります。お子さんが嫌がらなければ、脇の下や、足の付け根を冷やしてください。
熱さましには座薬と飲み薬があります。具合の悪いときに飲み薬を飲ませるのは大変です。小さな子には座薬の方がお勧めです。冷蔵庫に入れておけば長く使えます。特に、5歳以下のお子さんは熱性けいれんを起こすことがあるので、熱さましは常備しましょう。
熱性けいれん
5歳以下のお子さんで、発熱時に”ひきつけ”を起こすことがあります。眼球上転(白目をむく)し、腕をガクガクするような発作をおこします。時に、一時的に顔や唇が紫になることもあります。
まず、あわてないこと。あわてて救急車を呼びに行き、お子さんから離れることのないようお願いします。嘔吐があるときは顔を横にして、窒息を防ぐ必要があります。できれば時計をチラッとみてください。痙攣は長く感じますが、2~3分で治まることが殆どです。できるだけ呼吸しやすいように服をゆるめてください。舌は噛みません。決して口の中にスプーンや指などを入れないようにしてください。嘔吐を誘発し窒息の危険があります。基本的に、熱性けいれんは後遺症や発達障害は残しません。ただし、何度も続く痙攣や、痙攣後も意識の回復が遅いとき、年齢が5歳以上であるときなどは注意が必要です。速やかに病院を受診してください。
咳
風邪をひくと、気道の粘液の分泌が増え、鼻水や痰が増えます。大人なら、数回の咳で痰を出すことができます。しかし、子どもはなかなか痰を出すことができません。その結果、何度も咳を繰り返し、ゲボッと吐いてしまうことがしばしばあります。”吐いてしまった”ことで心配になることがあるかもしれません。お子さんの様子を確認してください。吐いたことでケロッとしていることが多いものです。そんなときは心配いりません。特に、夜間は咳で吐くことが多いと思います。寝ると、鼻水や単がのとの奥に落ち込んでしまうからです。(図を参考にしてください。)
注意すべき咳として3つ。
①乳児のひどい席で、顔を真っ赤にし、息を吸い込むときに”ヒー”という音が出るときは百日咳が心配です。呼吸困難になることがあるので注意です。
②”犬の鳴き声””オットセイの鳴き声”のような咳はグループ症候群が心配です。呼吸が苦しくなることがあるので注意が必要です。
③喘息の子に安易な吸入は危険です。夜間に2回以上使用しなければならないようなら、翌日には必ず受診してください。
寝ると、鼻水や痰が喉の奥に落ち込んでしまいます。さらに、鼻づまりのために口で呼吸すると、のどの奥の痰は、乾燥してネバネバして出しにくくなります。背中を軽くたたいて痰を出しやすくしたり、お水を数口飲ませるのもいいでしょう。咳がひどいときには、枕元に洗面器の準備が必要です。
幼稚園・保育園には行っていいの?
いつも悩むのが、幼稚園や保育園にお子さんを連れて行っていいのか悪いのか。熱が37.5度以上あるとき、機嫌が悪いとき、元気がないときはお休みです。咳や下痢にはなかなかこれといった基準がありません。そこでお勧めするのは、”この子(実際には自分の子ですが…)と自分の子が1日一緒にいたら心配だな”と感じたらお休みというのがいいでしょう。子どもの病気の殆どは幼稚園や保育園、学校でうつります。できるだけ”うつさないよう、うつらないよう”お互い気をつけましょう。
予防接種マメ知識

0歳時に受けるワクチン
同時接種について
予防できる病気は予防が大事です。
定期接種は時期が過ぎると自費です。
予防接種は高額です.ご注意ください。
不安な方はスタッフにご相談ください。
2ヶ月 1歳,5歳 は母子手帳チェック
2か月:予防接種はスタートできたか、1歳までのスケジュールは大丈夫かチェックしましょう。
1歳: お誕生日予防接種(麻疹風疹①、水ぼうそう①、おたふくかぜ①、肺炎球菌④)
1歳半までの予防接種(ヒブ④、4種混合④、水ぼうそう②)の確認をしましょう。
5歳:ヒブ、肺炎球菌は終了してますか?日本脳炎は3回できてますか?おたふくかぜの2回目はできてますか?
麻疹風疹2回目は年長さんのうちにしなければなりません。
日本脳炎のI期(①②③は7歳半までです)
生後2ヶ月は予防接種デビュー
•生後2ヶ月から5ヶ月は大事な予防接種が目白押し。
•”任意接種”はしなくてもいい予防接種ではありません。
•限られた期間に確実に予防接種をするためには同時接種をオススメします。
•同時接種で副作用が増幅されることはありません。
•万一健康被害が生じたときでも,任意接種単独よりも定期接種と同時に接種すると補償が厚いメリットがあります。
•海外では,殆ど同時接種が行われています。
2-12か月の理想的な接種スケジュール
ロタワクチンは2回投与,3回投与があります。
いずれにせよ15週以前に開始する必要があります。
1歳から2歳の理想的な接種スケジュール
保育園や支援センター、その他お友達と遊ぶ機会が増える前に
必要と考えます。
3歳から小学校入学までの理想的なスケジュール
小学生になるための準備と考えてください。
• 麻疹風疹ワクチン2 (小学校入学前の1年間)
• 日本脳炎ワクチン1,2,3
• おたふくかぜ2
• 肺炎球菌ワクチン未接種または,13価ワクチン希望
の場合は1回だけ可。(但し5歳未満)
小学生になるための準備と考えてください。
小学校卒業の子
もうすぐ中学生、以下のワクチンを確認しましょう。
同時接種について
• 最近、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、ポリオ不活化ワクチンなど、投与すべきワクチンが増えたので同時接種しないと終わらない。
• 生ワクチンを含む同時接種でもお互いのワクチンは干渉しない。
• 複数のワクチンを同時に接種しても有害事象、副反応は増えない
• いくつ同時接種してもよい
同時接種の良い点
• ワクチンの接種率がよくなる
• ワクチンで守られる子供が増える
• 通院回数を減らせるので、保護者の経済的、時間的負担を減らせる
• 任意接種単独よりも定期接種と組み合わせると、万が一、有害事象が生じたときに救済が厚い
同時接種の悪い点?
• 1度に痛い思いをたくさんさせてしまうようですが、1日泣かせるか、複数日泣かせるかの選択です。
ワクチン同時接種の注意
• 複数のワクチンをひとつにまとめてはいけない

予防接種の上手な受け方
定期接種
- B型肝炎、ロタ、ヒブ、肺炎球菌、3/4種混合、ポリオ、BCG、
日本脳炎、麻疹風疹、水痘、子宮頸癌 - 予診票に予め記入してくる。
但し、体温は病院で測る。
任意接種
- おたふく、インフルエンザ
- 予診票を自宅で印刷して予め記入してくる。
但し、体温は病院で測る。
予診票ダウンロード
以下の該当する予診票をクリックして,受けるワクチンの予診票をプリントアウトし,予め記入していただき、それを持参されると待ち時間が少なくてすみます.
接種する項目の受信票をプリントアウトして記入後お持ちください
おたふく風邪 | 説明書と予診表![]() |
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インフルエンザ | 説明書と予診表![]() |
夜尿症
夜尿は病気?
夜尿のほとんどが自然治癒します.しかし夜尿症により身体のみならず精神的,社会的に問題を生じる可能性があるならば,”病気”ととらえ、 医学的介入をした方がよいと考えられます。また、きちんと治療しなかった夜尿症児の0.5〜2%が成人の夜尿症に移行すると言われています。
おねしょと夜尿症
おねしょは睡眠中に排尿してしまうことです。通常5〜6歳になるまでにおねしょから自然に自立していきます。しかし、5〜6歳を過ぎても頻回 (毎晩あるいは一晩に2回以上)に”おねしょ”があるときは、”夜尿症”といわれます。
おねしょ・夜尿の頻度
おねしょする子としない子
●”おねしょ” は、”作られる尿量”と”貯める膀胱の容量”のバランスが悪い場合に生じます。
●尿量は腎臓の機能,ホルモンバランス、食事内容、飲水により決ります。一方、膀胱容量は。排尿習慣や奇形の有無などが影響します。
尿量が膀胱容量を上回れば”夜尿”を生じます。
●便秘は夜尿症のリスクになります。
●発達障害やてんかんなどが原因となることもあります。
●怖い体験や,トイレの設置条件も原因となることもあります。
●睡眠のリズムの乱れも原因となる可能性があります。
夜尿のタイプ
●多尿型:つくられる尿量が多い。
(多飲,抗利尿ホルモンの不足,下垂体腫瘍など…)
●膀胱型:膀胱容量の問題。(頻尿,昼間遺尿など)
●混合型
そのまま様子をみていいのでしょうか
いつ受診すればいいのでしょうか 
●6歳になって,毎晩あるいは,一晩に2回以上の”おねしょ”があったら相談を考えてみてください。
●順調でも治るまでに数ヶ月かかるので、修学旅行直前では時間が足りなすぎます.
治療した方がいいのか
夜尿症の自然治癒率と治療による治癒率
左の図のように何らかの治療をした方か、何もしない場合(自然治癒)にくらべ、3年後には治癒率は2倍異常の治癒が期待できる。
服部益治,治療と新薬,52(1),3-7,2015
夜尿症が子どもの心に与える影響
夜尿症は年齢が上がるにつれ、自信をなくし心理面、社会面、生活面に影響を及ぼす可能性があり、あるデータでは夜尿症が、両親の別離、争いに次いで3番目に精神的外傷の原因となるといわれている。いじめよりも悪い経験とされている。
ご両親へのアドヴァイス
●おこらない,あせらない、おこさないが原則おじいちゃん,おばあちゃんも含め、大人がバラバラの対応をせず、お母さんをサポートする。原則、子どもの前では母の意見を尊重してください。
●子どもに恥をかかせない
修学旅行や宿泊訓練,外来受診などで子どもに恥を欠かせない配慮が必要す。